晩年を迎えた細木が直面したのは、築き上げた莫大な資産と六星占術の看板を誰に託すかという問題だった。配偶者も実子もいない彼女が選んだ道は、自身の妹の長女である細木かおりを養女として迎え入れることだった。
細木かおりは幼少期から細木数子の薫陶を受け、2014年からはアシスタントとして活動を開始。2016年には正式に養子縁組を結び、六星占術の後継者として指名された。現在、細木数子の著作権やブランドを管理しているのは、一族が掌握する事務所「薫白透社」である。
数十億円とも百億円とも囁かれた遺産、京都の豪邸、そして毎年莫大な印税を生み出し続ける出版権。それらはすべて後継者である細木かおりへとスムーズに引き継がれた。血筋を重視し、先祖供養を説き続けた細木数子にとって、自らの帝国を姪であり養女である存在に継承させたことは、彼女が描いた最後の完全なるシナリオだったといえる。