現地へ足を運べないファンにとっても、テクノロジーの進化が劇的な恩恵をもたらしている。高輝度・広色域を誇るNHK BSプレミアム4Kの生中継では、硝煙の向こうに浮かぶ微細な火花の軌跡までが鮮明に描き出される。HDR(ハイダイナミックレンジ)技術により、白飛びしがちだった閃光の芯までクリアに視覚化されるようになった。
同時に、公式YouTube Liveによるマルチアングル配信やドローン空撮映像のリアルタイム配信が定着。地上カメラでは捉えきれない真上からの俯瞰映像や、会場全体の熱狂をダイレクトに伝えるチャット欄の盛り上がりは、デジタルならではの新しい鑑賞様式を切り拓いた。
それでも、全身の皮膚を突き刺す空気の圧力波と、大地が鳴動するような轟音だけはスクリーン越しでは味わえない。放送と配信の進化は、かえって「一度は現地で本物を体験したい」という渇望を強烈に掻き立てている。