市場関係者の間で議論が続く金価格が高騰している理由は、単一の事象ではなく複合的な国際経済の構造変化にあります。金価格過去最高値の真相を読み解く上で、3つの大きな推進力を理解する必要があります。
第1の要因は、世界的な中央銀行による継続的な金購入です。地政学的リスクの高まりを背景に、外貨準備におけるドル依存度を下げる「脱ドル化」の動きが新興国を中心に加速しました。各国の中央銀行が金現物を大量に買い増したことが、相場の下値を強力に支え続けています。
第2の要因は、インフレヘッジとしての実物資産需要です。法定通貨への信認が揺らぐ局面において、供給量に絶対的な上限がある金は、価値の保存手段として国際投資マネーを強く引きつけました。
第3の要因は、為替市場における円相場の影響です。ドル建ての国際金価格が上昇することに加え、為替レートの円安傾向が重なったことで、円建ての国内金価格は国際相場以上のピッチで上昇カーブを描くこととなりました。