音楽番組のアーカイブ特集や過去のライブ映像が流れるたび、若い世代からも「この美形ボーカルは誰!?」と驚きの声が上がります。1985年の米米CLUBメジャーデビュー当時、石井竜也が見せたビジュアルの衝撃は、当時の音楽シーンでも群を抜いていました。
すっきりと通った高い鼻筋、切れ長で力強い目元、そしてシャープなフェイスライン。その彫刻のような顔立ちは、まさに正統派の二枚目そのものです。しかし彼が特異だったのは、端正な素顔にとどまらず、自らアイラインやリップなどのメイクアップを施し、中性的かつ妖艶なスタイルをいち早く確立していた点にあります。
1980年代半ばといえば、男性が本格的なメイクをしてテレビに出演すること自体がまだ珍しかった時代です。西洋のニューロマンティックやグラムロックの文脈を巧みに日本の歌謡界・ロック界へ落とし込み、独自の美意識で昇華させたビジュアルは、現在のヴィジュアル系バンドやK-POPアーティストたちにも通じる先駆的なスタイルでした。