動画配信サービスの台頭は、この問題にまったく新しい次元をもたらした。NetflixやHBOといったグローバルプラットフォームは、圧倒的な資金力を背景に質の高いノンフィクション・ドキュメンタリーを次々と制作している。作品内で描かれる事件の深層や警察捜査の不備は世界中の視聴者を魅了するが、その舞台裏では複雑な金の流れが蠢いている。
例えば、Netflixで配信され大きな話題を呼んだ『サムの息子の影に: 狂気の極限へ』のように、事件の真相や単独犯説への疑問を掘り下げるノンフィクション・ドキュメンタリーでは、関係者への情報提供料やアーカイブ映像の使用料が発生する。加害者本人に直接「出演料」が支払われなくても、親族や代理人、あるいはコンサルタント名義を経由して資金が渡る抜け道が指摘されることもある。ドキュメンタリーが社会の不条理を告発する正義の顔を持つ一方で、結果として凶悪犯の知名度を高め、水面下で経済的利益をもたらしているのではないかという批判は根強い。