梅宮辰夫を語る上で欠かせないのが、料理への異常なまでの情熱だ。晩年はバラエティ番組でその腕前を披露し、お茶の間の人気を博したが、そのルーツもまた若い頃にある。夜の街で豪快に遊び歩く一方で、彼は常に「本物の味」を追い求めていた。
全国の美味いものを食べ歩き、やがて自ら包丁を握るようになった彼は、単なる趣味の領域を超えてビジネスを展開していく。「梅宮辰夫漬物本舗」をはじめとする実業家としての顔は、彼が単なる「雇われのスター」ではなく、自らの人生をプロデュースする卓越したセルフブランディング能力を持っていた証拠だ。遊ぶときは遊び、働くときは徹底的にこだわる。そのバイタリティの源泉は、すべて青年期の貪欲な好奇心にあった。