日本犯罪史において、女子高生コンクリート詰め殺人事件ほど社会全体に深い精神的打撃を与えた事件はない。1980年代末、東京都足立区で起きたこの非道極まる事件は、少年の悪質化や密室における残虐性の極致として、当時の警視庁や法務省をはじめとする司法・行政機関のあり方をも根底から揺るがした。
事件から数十年が経過した現在も、法務省による少年法改正の議論や警視庁の防犯対策の歴史において、この事件は常に重い教訓として語り継がれている。ネット上で吉原やピカソといった記号と結びつけられる現象に対しては、「悲惨な実在の事件を都市伝説やミステリー消費のネタにしてはならない」という強い批判の声も存在する。遺族や関係者の心情を置き去りにした情報消費のあり方は、現代のデジタル空間が抱える重大な倫理的課題だ。