野球選手がひまわりの種を食べるようになった最大のきっかけは、かつてメジャーリーグで蔓延していた「噛みタバコ(無煙タバコ)」の追放運動にあります。
20世紀初頭から中盤にかけてのMLBでは、乾燥するスタジアムで口内の渇きを防ぎ、試合中の激しいプレッシャーを和らげる目的で噛みタバコが広く親しまれていました。しかし、1980年代から1990年代にかけて口腔がんなどの深刻な健康被害が社会問題化し、球界全体で噛みタバコの使用禁止・自粛に向けた動きが急速に進みます。
そこで「口寂しさを紛らわせ、なおかつ健康を害さない代替品」として白羽の矢が立ったのが、ガムとひまわりの種でした。殿堂入り選手であるレジー・ジャクソン氏などが愛用し始めたことを契機に、安全で手軽なスナックとしてクラブハウスやダグアウトへ一気に普及していったのです。