「我が輩の可愛い弟よ!」と過剰なスキンシップを試みる零に対し、容赦ない毒舌と冷たい視線で突っぱねる凛月。一見すると典型的な「ウザい兄と冷めた弟」の構図に見える。しかし、物語を読み進めるうちに、観客はその奥にある複雑な情念に気づかされる。
凛月の拒絶は、愛の裏返しに他ならない。かつて自分を置いて去った兄への甘えと腹立ち。そして、完璧に見える兄が魅せる弱さに対する戸惑い。一方の零もまた、かつてのように素直に自分を頼ってくれない寂しさを抱えながらも、一人のアイドルとして成長していく凛月の姿を誰よりも誇らしく思っている。言葉とは裏腹に、二人がステージ上で交わす視線や、ふとした瞬間に出る仕草には、切っても切り切れない血の絆が確かに宿っている。