かつて国会でも大論争となった、改正労働契約法に基づく「10年雇い止め問題」。2026年を迎えた今も、その傷跡は深く残っている。理研は多くの優秀な研究者を抱えながらも、予算の都合上、無期雇用への転換を避けるために契約を打ち切るケースが相次いだ。
この制度的疲弊は、若手研究者の生涯年収を著しく押し下げている。数年ごとに引っ越しを余儀なくされ、キャリアが寸断される状況では、昇給など望むべくもない。研究に没頭すべき20代後半から30代という最も貴重な時期に、次の職探しと生活費の工面に追われる。これが、日本を代表する研究所の足元で起きているリアルな日常だ。