山形県鶴岡市出身の羽山が持つ最大のアイデンティティは、デビュー前に関東や地元のファンにも知られる出羽三山神社で巫女として勤務していた過去にある。神聖な静寂の中で神々に仕え、訪れる参拝者を温かく出迎えていた日々の経験は、彼女の人間性と歌唱の美学に決定的な影響を与えた。
一般的な演歌歌手がたどる下積み生活とは異なり、祈りの場から歌手への転身という異例のキャリアは、彼女の歌声に独特の「清廉さ」をもたらした。力強く劇的な情念を張り上げるクラシックな演歌のスタイルとは一線を画し、そっと息を吹き込むような繊細な発声と、凛とした芯の強さが同居する歌風。それこそが、聴く者の心を洗う「開運ボイス」の所以である。