発症を100%防げないにもかかわらず、世界中の公衆衛生機関が接種を強く推奨する最大の理由は、圧倒的なインフルエンザワクチン重症化予防効果にあります。
インフルエンザの本当の脅威は、単なる高熱や関節痛にとどまりません。基礎疾患の悪化、小児にみられる「インフルエンザ脳症」、高齢者に頻発する「二次性細菌性肺炎」など、生命に関わる合併症を引き起こす点にあります。
国内外の多数の疫学調査において、ワクチン接種者は非接種者と比較して、ICU(集中治療室)への入室リスクや死亡リスクが50%〜70%以上低下することが一貫して証明されています。
「かかって高熱は出たけれど、2〜3日で解熱して後遺症もなく回復した」「点滴や入院を回避できた」という状態こそが、ワクチンの真価が発揮された瞬間です。社会活動を維持し、重い合併症から命を守る安全帯としての役割こそが、この医療技術の本質です。