ちいかわたちの住む世界を統括し、仕事や報酬を管理している「鎧さん」たちの存在も、映画化によって新たな謎を提示した。彼らはなぜちいかわ族に「討伐」という危険な労働を行わせるのか。なぜ危険なモンスターが多発する危険地帯へ彼らを送り出すのか。
劇中、スクリーンに映し出された鎧さんたちの微かな表情の変化や、意味深な目線の交わし合い。そこには、単なる親切な管理者にとどまらない「この世界のシステムを維持するための冷徹な意図」が透けて見える。ちいかわ族は保護されているのか、それとも「管理された家畜」に過ぎないのか。映画版のディテールは、この世界のディストピア性をより濃厚なものに仕立て上げている。