Mr.Childrenの歴史を振り返る際、長年共同作業を続けた小林武史の存在を外すことはできない。緻密なアレンジと壮大な世界観でヒットチャートを席巻した「小林時代」を経て、現在の彼らはセルフプロデュース体制へと完全に移行している。音の隙間を恐れず、四人のアンサンブルそのものを鳴らす手法への転換だ。
TOY'S FACTORYという自由度の高い環境の中で、彼らは過去の成功体験に甘んじることなく、常に自らのサウンドを解体・再構築してきた。商業的な大ヒットを目指す重圧から解放されたバンドが手に入れたのは、音楽を奏でることそのものの歓喜である。過剰なプロデュースを脱ぎ捨てた今のMr.Childrenは、かつてないほどしなやかで力強い。