ビームの公的なプロフィールは、公安対魔特異4課に所属する「サメの魔人」です。魔人とは、悪魔が人間の死体を乗っ取った状態を指し、通常は悪魔本来の力よりも弱体化し、知能も低下すると定義されています。しかしビームは、戦闘時において他の魔人とは一線を画す圧倒的な機動力を誇っていました。
その真骨頂が、地面や壁、建造物などのあらゆる固体を液体のようにすり抜けて自在に潜航する「泳ぐ」能力です。物質の中を神出鬼没に泳ぎ回り、死角から奇襲を仕掛ける戦術はもちろん、一時的に巨大なサメの頭部を持つ悪魔本来の完全体へと変態し、敵を丸呑みにする驚異的な膂力を見せつけました。
さらに注目すべきは、物語終盤の第83話でマキマの口から明かされた「チェンソーマンの眷属(けんぞく)」という衝撃の出自です。マキマが語った信奉者たちの名前はキリスト教の天使階級に対応しており、ビーム(BEAM)は第2位の天使「智天使(ケルビム / Cherubim)」に由来します。通常の悪魔や魔人は転生時に前世の記憶を失うはずですが、ビームは例外的に「地獄でチェンソーマンがどのように戦い、どのように立ち回っていたか」の記憶を断片的に保持していました。彼がデンジにチェーンの移動術を教え込もうとしたのも、かつての主の勇姿を魂の底で記憶していたからにほかなりません。