「油を換える頻度を落とせば揚げ物の風味が落ち、かといって頻繁に交換すれば利益が吹き飛ぶ」。都内で居酒屋を展開する現場からは、切実な声が漏れる。外食産業アナリストの分析によれば、原材料費の上昇分をすべて価格転嫁できている店舗は全体の3割未満に過ぎず、残りの店舗はメニューの減量や利益率の悪化を余儀なくされている。
特に過酷なのがスーパーや専門店の現場だ。日々大量の揚げ物をこなす総菜調理師は、油の劣化速度と見た目の仕上がり、カラッとした食感を維持するために神経をすり減らしている。油の酸化が進むと色やにおいに現れるだけでなく、吸油量が増えて食材のべたつきにもつながる。コスト削減と品質維持の板挟みは、現場の限界を超えつつある。