沢尻エリカという名が日本中のワイドショーを席巻する決定打となったのが、2007年9月29日に行われた映画『クローズド・ノート』の初日舞台挨拶でした。ステージ上に腕組みをして現れ、司会者からの質問に対して「特にないです」「別に」と冷ややかに言い放った態度は、瞬く間に全国的な大バッシングへと発展しました。
当時21歳だった彼女は、ドラマ『1リットルの涙』や映画『パッチギ!』で国民的清純派女優としての絶大な支持を集めていた最中でした。世間とのイメージギャップが激しかったこともあり、メディアは連日彼女の傲慢さを糾弾。その後、テレビ朝日系情報番組『スーパーモーニング』に単独出演し、涙を流しながら謝罪する事態へと追い込まれました。
しかし、この「涙の謝罪」には大きな裏側が存在していました。後に海外メディア(米CNN等)のインタビューや関係者の証言で明かされたところによると、当時の涙は心からの反省ではなく、「事務所側から『謝罪しなければ芸能界にいられなくなる』と強く説得され、演じさせられたものだった」と本人が告白しています。若くして過密スケジュールと虚像の重圧に押しつぶされ、自らの感情をコントロールできなくなっていた歪みが、あの歴史的な騒動を引き起こした根本的な原因でした。