事件の全体像を把握するうえで最大の障壁となるのが、極めて複雑に入り組んだ人物相関図です。角田美代子の周囲には、戸籍上の家族だけでなく、暴力と金銭で繋ぎ止められた「疑似家族(角田ファミリー)」が形成されていました。
角田の家族構成および側近グループには、以下のような人物たちが名を連ねていました。
- 角田美代子(主犯・元被告):グループの絶対的支配者として君臨。
- 内縁の夫:美代子と同居し、生活全般をサポートしていた存在。
- 角田三枝子(義妹):美代子の犯行を実質的に支え、保険金詐取や金銭管理に関与。
- 角田健太郎(美代子の長男):美代子の指示に従い、暴力の実行役を担った。
- 角田優太郎(美代子の次男):同じく美代子の支配下に置かれ、犯行に加担。
- 李正則(美代子の「いとこ」を自称する男):大柄な体格を活かし、被害者への物理的脅迫・暴力の主力となった実行犯。
美代子はこの擬似家族集団を使い、標的とした複数の家(谷本家、高松一家、皆吉家、橋本家など)に侵入しました。ターゲットの家庭に親族として美代子の息子の嫁を送り込んだり、養子縁組を強制して戸籍を複雑に書き換えさせたりすることで、外部からは「親族間の内輪揉め」に見せかける偽装工作を徹底していたのです。