ガラス瓶ラムネの存続を根底から揺るがした最大の要因が、ラムネ瓶回収リサイクルシステムの機能停止です。本来、ガラス製ラムネ瓶は「リターナブル瓶」として設計されており、消費者が飲んだ後に販売店へ返却し、工場で洗浄・殺菌されて数十回にわたり再利用される循環型モデルを前提として成り立っていました。
かつては地域の駄菓子屋や酒屋が瓶の回収拠点となり、1本あたり数十円の保証金(デポジット)を返す仕組みが機能していました。しかし、街の個人商店が激減し、販売チャネルがスーパーやイベント会場へと移るにつれて、瓶を持ち帰ったまま廃棄したり、記念として回収されずに紛失したりするケースが急増しました。
1本数十回再利用されて初めて利益が出る構造において、回収率が30%以下にまで落ち込むと、メーカー側は瓶を供給するたびに赤字を垂れ流すことになります。環境に優しいはずのガラス瓶が、回収されない「使い捨て」と化してしまったことが、瓶ラムネの命脈を断つ決定打となりました。