歌詞の中盤に登場する「半年経っても 手も握らない しおらしいあなたが 好きよだけど」というフレーズには、当時の若者たちのピュアな恋愛観と、現代にも通じるもどかしい心理戦が凝縮されています。
付き合って、あるいはデートを重ねて半年という時間は、決して短くありません。それにもかかわらず手を握ろうとしない彼に対して、少女は「しおらしくて誠実な人」と好感を抱きつつも、「本当に私のことが好きなのだろうか」「もう少し男らしくリードしてほしい」という焦燥感を抱いています。
続く歌詞では「煙草の匂いのする 着古したセーターに 寄りそい聞いている 渚の気配」と描かれます。タバコを吸い、古着のセーターを着こなす少し大人びた彼。そんな彼が自分に対してだけは不器用で、大切にしすぎるあまり手すら触れられない。少女は彼のシャイな優しさを理解しながらも、二人きりの海辺で一歩踏み込んでくれる瞬間をじっと待っています。
「知り合いに会いませんように」と小さな傘に隠れる描写には、周囲に知られたくない秘密のデートのドキドキ感と、彼を独占したいという少女特有の独占欲が絶妙なバランスで描かれており、聴き手の胸を締め付けます。