暖簾をくぐった瞬間に漂う、芳しい新蕎麦の香り。店主の井田勝也氏が追求するのは、機械任せにしない圧倒的な手打ちのクオリティだ。自ら手がける井田農園では、標高の高い澄んだ空気と激しい昼夜の寒暖差を生かし、蕎麦栽培の段階から徹底管理を行っている。土造りから刈り取り、天日干しに至るすべての工程に一切の妥協がない。
粉を挽く直前まで低温でじっくり熟成された玄蕎麦は、石臼で丁寧に挽き直され、風味を閉じ込めたまま熟練の技術で仕上げられる。繋ぎを一切使わない手打ち十割蕎麦は、一口すするだけで口いっぱいに力強い甘みと香気が弾ける。まさに地産地消の究極形とも言える一杯だ。