本作の謎を解き明かす上で、原作者・竜騎士07氏が仕掛けた「3つのルール」の理解は欠かせない。雛見沢で起きる惨劇は、決してランダムに発生しているわけではない。すべては精緻に仕組まれたシステムの上で動いている。
ルールXは「誰かが疑心暗鬼に陥り、凶行に及ぶ」こと。前原圭一や竜宮レナなど、各編の主人公格が精神的に追い詰められ、周囲を信じられなくなることで破滅の引き金が引かれる。ルールYは「富竹ジロウの死と鷹野三四の失踪、そして古手梨花の死」。これはどんな世界線でも必ず発生する絶対の運命だ。そしてルールZは「園崎家が黒幕であるというミスリード」。村の絶対権力者である園崎お魎や魅音・詩音の姉妹がすべての元凶であるかのように見せる罠が、プレイヤーの目を真実から逸らし続ける。
この3つのルールが複雑に絡み合うことで、読者は無限の迷宮へと誘われる。誰が味方で、誰が敵なのか。その境界線が曖昧になる恐怖こそが、本作の真骨頂と言えるだろう。