日本の健康食品に対する信頼を大きく揺るがした小林製薬紅麹健康被害問題は、国民の健康リスクに対する意識を根本から変える分岐点となった。この重大な事案を契機に、厚生労働省や独立行政法人国民生活センターには、サプリメントの摂取に起因すると疑われる体調不良や肝・腎機能障害の相談が相次いで寄せられている。
行政や研究機関による追跡調査によると、健康被害の報告は一時期の報道ラッシュを超えた現在も決して絶えていない。これまで安全だと信じられていた天然由来成分や伝統的なハーブエキスであっても、人工的な抽出・濃縮プロセスを経ることで予期せぬ生物学的活性を持ち、強い毒性を発揮することが分かってきた。「食品だから医薬品より安全」という消費者の根深い錯覚こそが、被害の発覚を遅らせる最大の要因といえる。