大手ネットコミュニティや受験生保護者の手記、教育相談の現場から聞こえてくる生の告白を検証すると、制度のメリットを享受した成功体験と、認識不足による挫折の両極端な実情が浮き彫りになります。
都内の進学校に通っていた男子生徒(現役大学生)の手記には、次のような生々しい回顧録が記されています。
「『指定校が取れなかったから公募でいいや』と軽い気持ちで受けた。周りも推薦ムードだったが、11月下旬の不合格画面を見た瞬間に足の震えが止まらなかった。そこから共通テストまでの1か月半、落ちたトラウマと焦りで過去問の文字が頭に入らなくなり、結果的に一般選抜も滑り止めしか受からなかった。公募を『受かればラッキーな実力試験』と割り切れていなかったのが敗因だった」
一方、関西圏の中堅私立高校の進路指導担当教諭は、取材に対して次のように現場の力学を語っています。
「保護者の方の中には『推薦なのだから高校が頼み込めば受かるのではないか』と勘違いされている方がまだいらっしゃいます。今の公募推薦、特に併願可能な上位・中堅大は、一般選抜の定員厳格化の影響を受けて優秀層の滑り止めとして激戦化しています。評定平均4.5を持っていてもペーパー試験で点数が届かなければ容赦なく落とされるのが現実です」
「滑り止めのつもりが思わぬ激戦に巻き込まれる」という構図は、近年の公募制推薦において極めて頻発している事態です。制度の甘いイメージに惑わされず、選抜試験としての厳しさを直視することが欠かせません。