村井邦彦が遺した作曲一覧には、教科書に掲載され誰もが口ずさめる大名曲が並びます。なかでもフォークグループ・赤い鳥に提供した『翼をください』(作詞:山上路夫/1971年)は、日本の音楽史に輝く不滅のアンセムです。
もともとは合歓ポピュラーフェスティバル'70のコンクール出品曲として書き下ろされた楽曲でしたが、美しいメロディラインと普遍的なメッセージが幅広い支持を集め、教科書採択を機に全国の小中学校の合唱曲として定着。のちに山本潤子、川村カオリ、德永英明、さらには海外アーティストにまでカバーされ、今や国境と時代を超えて愛されています。
さらに、1972年札幌冬季オリンピックのテーマソングとしてトワ・エ・モワが歌った『虹と雪のバラード』(作詞:河邨文一郎)も村井の代表作です。荘厳さと温かさを兼ね備えた流麗なメロディは、白い雪原に集うアスリートと観客の胸を打ち、半世紀以上が経過した現在でも冬の風物詩としてテレビやラジオで頻繁にオンエアされています。