港のメインストリートに一歩足を踏み入れれば、色鮮やかな海鮮丼の看板が立ち並び、訪れる者の視界を埋め尽くす。引き締まったマグロのトロ、生で味わう桜エビ、透き通った甘みが弾ける生シラスがこれでもかと盛られた一杯は、観光で訪れたなら絶対に外せない大本命だ。溢れんばかりのボリュームと圧倒的な鮮度。一口運ぶごとに、駿河湾の豊かな恵みがダイレクトに伝わってくる。
しかし、地元の食通たちが密かに暖簾をくぐるのは、観光客の賑わいから少し離れた静かな路地裏に佇む店舗だ。地元民が日常使いする定食屋や、創業数十年を誇る老舗すし店がそこにはある。華やかな盛り付けこそ控えめだが、その日にセリ落とされた地魚のサクサクなフライや、秘伝の醤油ダレでじっくり煮込んだ煮魚定食が驚くほどの良心価格で提供されている。休日のドライブデートの途中でふらりと立ち寄り、こうした隠れた名店を発見することこそ、沼津を訪れる最大の醍醐味と言えるだろう。