歴史を振り返れば、日本のネットカルチャーにおいてROM(Read Only Member)は「半年ROMれ」というスラングに象徴されるように、むしろ推奨されるマナーであった時期もある。新参者がコミュニティの暗黙のルールを理解するための準備期間として、静観することは理にかなっていたからだ。
しかし、ソーシャルメディア産業の台頭に伴い、アルゴリズムとエンゲージメント率が重視される時代へシフトした。投稿に対する即座のリアクションや拡散がコミュニティの価値と直結するようになったことで、IT・インターネット業界のサービス開発においても「いかにユーザーをリアクションさせるか」が設計の中核となった。この構造変化が、ただ見るだけの存在に対する評価を「謙虚な姿勢」から「冷淡な不参加」へと一変させたといえる。