なぜ彼らは、あれほどの社会現象を巻き起こしながら瞬く間に地上波から姿を消したのか。その背景には、日本のネット史上でも極めて悪質な部類に入る「原爆揶揄デマ騒動」が存在します。
2015年春、ネット掲示板やSNS上で「コンビ名の8.6は広島原爆投下の日(8月6日)を意味している」「ラッスンゴレライは米軍の原爆投下命令(落寸号令雷)の隠語である」「決めポーズが平和祈念像に酷似している」といった荒唐無稽な言説が突如として拡散されました。さらには過去のSNS投稿の文言を無理やり結びつけた「反日認定」のバッシングへと急速に発展したのです。
この騒動に対し、吉本興業および本人たちは「コンビ名はネタを作った日の日付と語感の組み合わせであり、ネタのフレーズも言葉遊びに過ぎない」「原爆や政治的な意図は1ミリも存在しない完全な事実無根」と明確に否定しました。言語学的にも「落寸号令雷」などという軍事用語は実在しない造語であることが証明されています。
しかし、一度火がついたネット炎上は収束せず、抗議電話を恐れたテレビ番組やスポンサー企業がキャスティングを自粛する「リスク回避」の動きを取りました。当時、結成1年足らずだった二人は、フリートークや平場で逆境を跳ね返すための芸歴と話術の引き出しが十分に育っていなかったことも重なり、地上波からのフェードアウトを余儀なくされたのです。