NHKの海外ドラマ史は、そのまま日本のテレビ文化史と言っても過言ではありません。『刑事コロンボ』『大草原の小さな家』『ビバリーヒルズ高校白書』『フルハウス』『ER緊急救命室』、そして『ダウントン・アビー』に至るまで、各時代を代表する社会現象が生み出されてきました。こうしたNHK海外ドラマ歴代名作の数々は、現在も視聴者から熱烈な再放送要望が寄せられ続けています。
なかでも突出した支持を誇るのが、デヴィッド・スーシェ主演の名探偵ポワロNHK再放送を望む声です。アガサ・クリスティーの原作を完璧に映像化した英国ITV制作の同シリーズは、長年にわたりNHKで放送され、故・熊倉一雄氏による名吹き替えとともに国民的な人気を博しました。BSプレミアム4Kにおけるデジタルリマスター版の放送では、「衣装のツイードの質感や、ロンドンの街並みの陰影が息を呑むほど鮮明になった」と往年のファンから感嘆の声が上がりました。
視聴率調査データや受信者アンケートを分析すると、NHK海外ドラマの視聴者層は単に「外国の作品を見たい」という動機にとどまらず、「暴力や性描写が過度に刺激的すぎず、家族で安心して物語に没頭できるクオリティ」を高く評価していることが浮き彫りになります。民放の深夜枠や過激さを売りにする一部のネット配信作品とは一線を画す、品格あるキュレーションが強力な信頼を生み出しています。