教育現場の指導データや受験生への取材から見えてくるのは、「茎の断面図」と「種子の構造」におけるケアレスミスの多さです。単なる丸暗記ではなく、機能的な因果関係で紐解くアプローチが求められます。
茎のつくりにおいて、双子葉類の維管束はきれいな円環状(輪状)に並びます。この並びの内側と外側の間には、細胞分裂を行って茎を太く成長させる形成層(けいせいそう)が存在します。維管束を構成する管の配置について、指導現場では次のような覚え方が鉄板とされています。
「水は内側、栄養は外側」――根から吸い上げた水分が通る道管(どうかん)は茎の内側にあり、葉で光合成されたデンプンなどの栄養分(糖)が通る師管(しかん)は外側に位置します。内側が「水道管(水・道管)」と覚えるテクニックは、半世紀以上にわたって教育現場で受け継がれている信頼性の高い暗記法です。
また、種子の構造に関しても盲点が存在します。双子葉類にはエンドウやダイズ、アブラナのように、胚乳が発達せず子葉そのものに栄養を蓄える無胚乳種子(むはいにゅうしゅし)が多く見られます。しかし、カキやアサガオのように「双子葉類でありながら胚乳を持つ(有胚乳種子)」例外も存在するため、上位校の入試対策では「双子葉類=すべて無胚乳種子」と短絡的に思い込まない配慮が不可欠です。