2010年夏。日本のカーリング界に激震が走った。名門チームを離れ、地元・北海道北見市常呂町で一から新チーム「ロコ・ソラーレ」を立ち上げると決意した瞬間だ。資金もない、専用リンクの確保も保証されていない。周囲からは「暴挙」とさえ囁かれた。しかし、彼女の頭の中にあったのは、一過性のブームで終わらせない「地域に根ざした永続的なクラブチーム」の理想像だった。
スポンサー集めのために自らスーツを着て地元企業を1件ずつ回った日々の記憶は、今でも鮮明だ。断られ、首を傾げられながらも、地域と共に歩む夢を語り続けた。この雑草魂と徹底した現場主義こそが、のちに世界のトップへと駆け上がるチームの強固な基盤となったのである。