メディアやエンターテインメントの世界を観察すると、愛嬌の威力が一目瞭然となる。フリーアナウンサーであり俳優の田中みな実が見せるセルフプロデュース力は、まさに計算された愛嬌の到達点と言っていい。彼女は自己の弱みやあざとさを隠すのではなく、洗練された表現として提示することで、老若男女から熱烈な共感をさらっている。
一方、ハリウッドの世界的名作である映画『プラダを着た悪魔』で描かれたオフィスドラマも示唆に富む。冷徹な大物編集長と奮闘する若きアシスタントの攻防の中、最終的に状況を動かすのは冷徹なロジックではなく、土壇場で見せる人間味と情熱、すなわち愛嬌がもたらす共感の波だった。
企業社会でも同様の現象が報告されている。大手の株式会社リクルートホールディングスをはじめとする現代の組織調査でも、プロジェクトを成功に導くキーマンは単なる高スペック人材ではなく、周囲を巻き込む愛され力を持った人材であることが判明している。組織の潤滑油となるのは、常にこの人間味あふれるコミュニケーションなのだ。