視聴者を徹夜の「イッキ見」へと駆り立てる原動力は、単なる美男美女のキャスティングや豪華なセットだけではありません。制作現場の徹底した脚本至上主義と、人間の心理メカニズムを計算し尽くした構成力にあります。
韓国のドラマ制作現場では、脚本家(作家)の地位が極めて高く、企画段階から数年単位でプロットが練り上げられます。大手スタジオ関係者の証言によると、「1話ごとのエンディング(クリフハンガー)で視聴者の脈拍をいかに上げるか」がミリ単位で議論され、未完了の事象に対して強い記憶と執着が残る心理現象「ツァイガルニク効果」が極限まで応用されています。事件の真相や登場人物の隠された過去が明かされる直前で画面が暗転し、次話への再生ボタンを無意識に押してしまう構造が設計されているのです。
さらに、社会的な格差、家父長制の歪み、権力闘争といった現代社会のリアルな歪みをドラマの骨格に組み込むことで、単なる絵空事ではない重厚なリアリティを獲得しています。視聴者は主人公の苦難に激しく共感し、逆境を覆した瞬間に圧倒的なカタルシス(感情の浄化)を体験することになります。