昭和40年代、南海ホークスの絶対的司令塔として輝かしい成績を収めていた時代、彼は最初の妻である一般女性と家庭を築いていた。当時、若き主砲としてチームを牽引していた男の日常は、過酷な遠征と連日のプレッシャーに追われる日々だった。
しかし、家庭内に生じた微妙なすれ違いは、時とともに修復不可能な亀裂へと広がっていく。勝負の世界で神経をすり減らす日々の中で、家庭は心安らぐ安息の地とはなり得なかった。多忙を極めるプロのアスリートにとって、私生活の不協和音はいかに重い負荷であったか。昭和のスポーツジャーナリズムが捉えきれなかった家庭内の歪みは、静かに、そして確実に彼の人生を蝕んでいたのである。