日本の精神科病棟における平均在院日数は、かつて諸外国と比較して長期化が指摘されていましたが、厚生労働省による地域移行推進施策により短縮化が進んでいます。急性期治療を目的とした閉鎖病棟の場合、おおむね1ヶ月から3ヶ月程度での退院、あるいは開放病棟への転棟を目指すケースが主流です。
閉鎖病棟からの退院基準は、単に「症状が完全に消えたか」だけではなく、退院後の日常生活が維持できるかという総合的な観点で判断されます。
- 急性期症状の鎮静化:幻覚、妄想、極度の興奮や自傷念慮が落ち着いていること。
- 服薬の自己管理能力:処方された抗精神病薬や抗うつ薬、睡眠薬などを規則正しく服用できる見通しが立っていること。
- 受け入れ態勢の整備:家族のサポート体制、またはグループホームや訪問看護、精神科デイケアといった社会資源との連携が整っていること。
- 主治医・精神保健指定医による評価:通院治療への移行が可能であると総合的に判断されること。
退院前には、数時間の外出や1泊2日の外泊テストを段階的に実施し、自宅環境で心身の負荷に耐えられるかを確認しながら社会復帰へのステップを踏んでいきます。