一卵性双生児のDnaや指紋は同じか?最新医学が暴く二卵性との違い

一卵性双生児のDnaや指紋は同じか?最新医学が暴く二卵性との違い

一卵性双生児のDnaや指紋は同じか?最新医学が暴く二卵性との違いについて見逃せない 注意点を分かりやすく解説いたします。

長年にわたり、学校教育や一般的なメディア解説では「一卵性双生児の遺伝情報は100%同一である」と説明されてきました。しかし、一卵性双生児DNA一致率の真相に迫った近年の国際的なゲノム研究(アイスランドのデコード・ジェネティクス社による数百組規模の大規模全ゲノム解析など)は、驚くべき事実を突きつけています。

受精卵が受精後数日から十数日の間に2つに分裂する際、あるいは分裂した直後の初期胚細胞分裂の過程において、平均して数十箇所の初期体細胞変異(de novo変異)が生じていることが判明しています。つまり、生まれたばかりの新生児の段階ですでに、ごくわずかな塩基配列の差異が刻まれているのです。法医学における超高精度なDNA型鑑定においても、従来の簡易検査法では識別が困難だったものの、最新の全ゲノムシークエンス解析を用いれば両者を遺伝学的に識別できる時代へと突入しています。

一方で、一卵性双生児の血液型と性別については、基本的に同一の受精卵に由来するため完全に一致するのが原則です。ABO式血液型やRh因子を決定する主要遺伝子は共通であり、「兄がA型で弟がO型の一卵性双生児」といった現象は生物学的に起こり得ません。極めて稀な例外として、受精後の性染色体分裂異常により一方がターナー症候群(45,X)となることで男児と女児に分かれる症例が医学報告に存在する程度であり、日常的な臨床現場では「性別や血液型が異なれば二卵性」と判断して差し支えありません。

さらに興味深いのが、一卵性双生児指紋が違う理由です。遺伝子が極めて近いにもかかわらず、指紋照合システムで両者を取り違えることはありません。指先の皮膚に刻まれる隆線(りゅうせん)パターンは、胎生10週から16週頃にかけて形成されますが、遺伝的指令はおおまかな渦の傾向を決めるに過ぎません。子宮内における羊水のわずかな水流、局所的な血流差、胎児自身の指先が羊膜や子宮壁に触れる物理的接触圧といった無数のランダムな微小環境によって、最終的な隆線形状が微細に削り出されます。生命の造形は遺伝子の青写真だけで完結するのではなく、子宮内という物理空間との相互作用によって唯一無二の個体差を獲得しているのです。

山口 彩花
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山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。