半世紀に一度の大事業として行われた「清水寺平成の大改修」。国宝の本堂をはじめとする数々の重要文化財を後世へと正しく手渡すため、四半世紀にわたる壮大な文化財保護事業が実施された。とりわけ、伝統的な檜皮葺(ひわだぶき)屋根の葺き替えや、崖地に佇む懸造り(かけづくり)の骨組みの解体修理は、日本の伝統建築技術の結晶と言える。
宮大工や伝統工芸士たちの職人技を結集し、創建当時の美しさと構造的強度を取り戻した本堂。木材の一本一本、釘の一本にまで宿る先人たちの智恵を検証し、現代の技術で補強する作業は、過去と現代の対話そのものであった。この大改修の完遂は、単なる建造物の修復にとどまらず、失われつつある日本の伝統技術や職人精神を次代に継承する歴史的足跡となった。