紙の本を買う行為は「物理的な所有権」の購入だが、電子書籍を買う行為は「読む権利(利用ライセンス)」の購入に過ぎない。この法的な違いは、著作権法に基づく複雑な契約関係に起因している。
紙の単行本であれば、古本屋に売却したり友人に貸したりすることが自由に認められている(権利消尽の原則)。しかしデジタルデータには中古市場が存在せず、他者への転売や譲渡は著作権法上固く禁じられている。所有権を得られないにもかかわらず同額を支払わされる感覚が、消費者に「高すぎる」という印象を一層強めさせている。
また、少年漫画などの作品においては、デジタル化に際して著者・出版社・版権管理会社の間で新たな二次利用契約を結ぶ必要がある。海外展開やデジタル配信に伴う権利処理のコストも発生しており、これが販売価格を下げる足かせとなっている一面も見逃せない。