単なる給与の増額だけで教員不足や長時間労働が解決するわけではない。そのため文部科学省内で強力に推進されているのが教員処遇改善・給与制度改革プロジェクトだ。このプロジェクトは、給与面の見直しと並行して、業務の削減やデジタル化(DX)の推進を一体的に進める全社的な改革枠組みである。
従来の公務員給与・労働環境制度は、一度決められた枠組みを柔軟に変えることが難しく、時代に即した働き方の変化に対応しきれていなかった。プロジェクトの主導により、採点業務のアシスタント配置や部活動の地域移行、登下校管理システムなどの導入が進められており、給与改善と労働時間の圧縮という両輪を同時に回す試みが本格化している。
現場からは「給料が数万円上がっても、毎日深夜まで残業が続くなら身が持たない」という切実な声が絶えない。給料という金銭的報酬の引き上げと、時間的・精神的なゆとりを取り戻す環境整備が噛み合って初めて、真の改革と言えるだろう。