採血の最中や直後に、急な冷や汗、視界の暗転、吐き気、そして最悪の場合は気を失って倒れてしまう現象があります。この採血で気持ち悪くなる理由の多くは、医学的に「血管迷走神経反射(けっかんめいそうしんけいはんしゃ)」と呼ばれている自律神経の過剰反応です。
極度の緊張や痛みへの恐怖、針が刺さる視覚的ショックが引き金となり、心身をリラックスさせる副交感神経が急激に優位になります。その結果、心拍数が低下し、末梢の血管が拡張して急激な血圧低下を招きます。脳への血流が一時的に不足することで、以下のような血管迷走神経反射の症状が出現します。
・急なめまい、立ちくらみ、頭がスーッと軽くなる感覚
・サーッと血の気が引く、冷や汗が止まらない
・胃のムカつき、強い吐き気
・視界が白っぽくなる(または黒くかすむ)ホワイトアウト・ブラックアウト
・意識消失(失神・気絶)
「大の大人が注射ごときで倒れるなんて恥ずかしい」と自分を責める必要は一切ありません。これは身体の防御反応の一種であり、体質やその日の体調、心理状態が重なれば誰にでも起こり得る現象です。