藤田淑子さんの声優としての卓越した力量は、若い頃からの長い芸能キャリアの中で育まれたものでした。1950年に生まれ、わずか6歳の頃からラジオドラマや劇団で子役として活動を開始。幼少期から舞台、映画、テレビドラマに出演し、厳しいプロの世界で生きた演技の基礎を身体に叩き込んでいました。
少女時代には高い歌唱力を買われ、歌手としても数多くのレコードをリリース。洋楽のカバーポップスからアニメソングまで歌いこなす高い音楽的感性は、のちに声優として台詞のリズムや抑揚を巧みに操る大きな武器となりました。
日本の声優業界の草創期を支えた大手プロダクション・青二プロダクションの設立初期から所属し、草創期の看板女優として業界のスタンダードを築き上げていきました。「声だけで芝居をするのではなく、一人の俳優として全身で役を生きる」という揺るぎない矜持は、子役時代からの豊富な現場経験があったからこそ培われた確固たる信念でした。