コナリミサトによる原作漫画(秋田書店『Eleganceイブ』連載)と、TBSテレビで放送され社会現象となったテレビドラマ版では、物語の着地点や細部の表現に味わい深い差異が存在する。
実写テレビドラマ版では、主演の黒木華が魅せた透明感と切実な演技、高橋一生が演じた強がりと裏腹な号泣シーン、そして中村倫也の脱力系で危うい色気が奇跡的な化学反応を生み出した。全10話という限られた尺の中で、ドラマ版は「凪の精神的な独立」を鮮やかに浮き彫りにし、大団円として爽快なカタルシスを提供する演出が徹底されていた。
対して原作コミックスでは、凪の実家や母親との根深い心理的葛藤、あるいは地方都市での再出発や就職活動のエピソードがより泥臭く、丁寧に掘り下げられている。毒親の存在や過剰適応の根本原因にじっくりと向き合う漫画版は、現代社会における自己再生のバイブルとして読者の心を打ち続けている。