何度見返しても新たな発見があるのは、全話を通じて計算し尽くされた伏線の数々が散りばめられているからだ。例えば、三田が肌身離さず持ち歩く四角いバッグ。そこから何でも取り出せるという奇妙な設定は、実は彼女が過去の絶望によって「あらゆる事態への準備を怠らない」という異常な防衛本能の裏返しであったことが後半明かされる。
さらに、阿須田家の子供たちが直面する試練や、父親の無責任な態度に対する苛烈な試練の数々も、すべて三田自身が過去に失った家族との記憶や後悔と深くリンクしていた。無駄なセリフや小道具は一切存在せず、クライマックスに向けた伏線回収の美しさは、脚本の芸術品と呼ぶにふさわしいクオリティを誇っている。