出版科学研究所の調査データが示す通り、出版市場における電子書籍のシェア拡大とリアル書店の減少傾向は続いています。その逆風下で、ジュンク堂書店池袋本店が圧倒的な集客力を維持している背景には、同店が創業期から貫く「図書館的空間」への徹底したこだわりがあります。
一般の書店では回転率の高い新刊や話題のベストセラーが平積みの中心となりますが、同店では背表紙を見せる「棚差し」を基本とし、過去の基本書や絶版に近い学術書、地方出版社の刊行物までを垂直統合型で網羅しています。書店関係者の証言によると、「池袋本店になければ日本国内の一般流通ルートにはない」と評されるほどの網羅性を誇り、探書体験そのものがエンターテインメントへと昇華されています。
さらに、通路の随所に配置された読書用の椅子や、知的好奇心を刺激するフェア展開、著者や専門家を招いたイベント・サイン会の定期開催など、単なる購買行動にとどまらない「滞在型書店」としての完成度が極めて高い点も、愛好家を惹きつけてやまない要因です。