「単に声が綺麗、演技が巧みという基準だけで選ぶつもりはなかった」。音響監督はインタビューでそうきっぱりと言い切った。キャラクターが抱える深い孤独、美しさ、そして人を狂わせるような妖しい魅力。それら複雑な感情の機微を声だけで表現できる役者を探し求めるプロセスは、数ヶ月におよぶ難航を極めた。
オーディション現場では、指定のセリフだけでなく即興演技を求められる場面も多発した。その中で、キャラクターの魂そのものとして完璧なシンクロを見せたのが今回選ばれた面々だった。声質の一致はもちろんのこと、役の業まで背負えるかという厳しい選考基準をクリアしたからこそ、圧倒的な説得力が生まれている。