日本放送協会が制作する連続テレビ小説の歴史の中でも、本作は際立った存在感を異彩として放っている。派手なアクションや突飛な展開に頼るのではなく、日々の営みや針と糸が織りなす「手仕事の美しさ」を映像美で表現した点が高く評価された。
単なる成功美談ではない。戦災による喪失、家族との別れや再会、そして高度経済成長期の波に揉まれる葛藤など、一筋縄ではいかない人間の情愛がリアルに描かれている。珠玉のヒューマンドラマとして、放送終了後も根強い人気を誇る理由はそこにある。
音楽やナレーションの演出も緻密であり、時代考証の丁寧さが物語の説得力を何倍にも引き上げている。物作りの本質を問うテーマ性は、効率主義が加速する現代社会に生きる私たちにこそ刺さる強烈なメッセージを秘めているのだ。