かつて小泉政権下で導入された「比例代表73歳定年制規程」は、長年自民党の刷新感を演出する強力なカードだった。小選挙区で敗北しても比例復活で救済されるベテランに歯止めをかけ、新陳代謝を強制的に進めるための制度である。だが、2026年に入り、選挙情勢の緊迫に伴ってこの鉄則に揺らぎが生じている。
見直し論が急浮上した背景には、過小評価できない党内の危機感がある。接戦が予想される選挙区が増加する中、地域に強固な後援会組織を持つベテランの落選を回避し、党全体の議席を死守したいという本音が透けて見える。見かけの刷新感を演出する一方で、実利を取るか理念を守るかという苦渋の選択が、党幹部を追い詰めているのだ。