彼の音作りを紐解く上で欠かせないのが、ジャンルの境界線を溶解させるアプローチだ。静けさのなかに繊細な感情を宿らせた坂本龍一の静謐な美学。そして、圧倒的なスケール感で観客を呑み込むハンス・ジマーの圧倒的な音圧。その双方のDNAを感じさせつつも、全く新しい地平を切り拓いている。
クラシックの伝統的なスコア編成に、尖ったエレクトロニクスやエスニックな打楽器を大胆に織り交ぜる手法。これこそが、現代最高峰の「クラシック・フュージョン」と呼ぶべきスタイルだ。ストリングスの旋律が電子音の波に包まれ、聴く者の耳にダイレクトに跳び込んでくる。