政府専用機は、天皇陛下をはじめとする皇族方と、内閣総理大臣の双方が公務で使用します。しかし、両者の運用には明確な違いと厳格なルールが定められています。
日本政府が定める運航基準において、利用の優先順位第1位は「天皇陛下および皇太子同妃両殿下(現皇嗣同妃両殿下を含む皇族方)」であり、内閣総理大臣は第2位に位置付けられています。したがって、もし天皇陛下の国際親善訪問と首相の外遊日程が同日・同時間帯に重複した場合、政府専用機は原則として天皇陛下のご訪問に割り当てられます。その際、首相は民間航空会社のチャーター機を手配して外遊先へと向かうことになります。
さらに、航空管制上の無線通信で用いられる「コールサイン」にも格式の違いが現れます。通常、政府専用機が任務飛行を行う際のコールサインは「Japanese Air Force 001(主務機)/002(副務機)」ですが、天皇陛下がご搭乗されるフライトでは、国際的にも国家元首クラスに対する最大限の敬意を込めた特別待遇の優先管制が敷かれます。各国の航空路を通過する際も、最優先の飛行ルートと高度が確保されるのです。