切ったばかりのナスを放置すると、切り口が茶褐色に変色してしまいます。これはナスに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノール類が、空気に触れて酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)の働きによって酸化することが原因です。ナスのアク抜きと変色防止のために水へさらす理由は、空気との接触を遮断し、褐変反応を抑える物理的・化学的効果にあります。
ただし、長時間の水さらしは禁物です。水に浸けすぎると、ナス特有の旨味成分や水溶性の栄養素が流出し、果肉が余計な水分を吸って油ハネや食感低下を招きます。水にさらす時間は約5〜10分程度にとどめ、加熱直前にはキッチンペーパーで表面の水分を徹底的に拭き取ることが、ナスのあく抜きと下処理における鉄則です。